理論
妊娠をすると、分娩のために赤ちゃんが骨盤の中を通りやすくなるように妊娠初期から妊娠性のホルモンの働きで骨盤関節などを繋いでいる靭帯が弛み、そのために骨盤関節に緩みが起きます。この骨盤関節の緩みは、骨盤周辺の筋肉の筋力が強ければ少なく、弱ければ大きくなります。この骨盤関節の緩みや骨盤自身の変形の程度によって腰痛や恥骨・お尻・股関節などの痛み、こむら返り、尿漏れなどいろいろな症状が出てきたり、また痛みの程度も変化します。お腹の張りが強いとか切迫早産の可能性を診断されるなども、何の関係もないように思えますが、これらの原因のほとんどは骨盤関節の緩みが関係しています。妊娠初期・中期からの骨盤支持を進めているお産の施設(年間500人くらいの赤ちゃんを取り上げている)では、昨年1年間で早産が1例しかなかったそうです。年齢が若く、靭帯や筋肉がしなやかな場合は、痛みよりも体がふらつく・揺れながらしか歩けないなどが特徴で、高齢になるにしたがって痛みが強くなるように見えます。
骨盤関節の緩みにより、これらの症状や痛みが発症する原因は、人間の骨格が二足直立歩行をするために骨盤で全体重を支える仕組みになっているからです。骨盤関節に緩みが起きれば、骨盤周辺の筋肉の筋力との関係で自然に骨盤関節(最初に仙腸関節)が広がるようにできています。
そしてこの骨盤関節の緩みは、筋力や靭帯の強さ・ホルモンの影響など個人差があります。平均的には産後2ヶ月くらいかけて回復していきますが、多くの場合骨盤の支持をして回復を助けなければ正常な骨盤に回復することは難しいようです。産後に妊娠中の腰痛や恥骨・お尻などの痛み、尿漏れなど骨盤周辺のトラブルが残っていたり、もしくは新しく発症したり、お尻が大きくなった・O脚になったなどの原因のほとんどは骨盤関節の緩みが回復していなかったり、骨盤支持をしなくて歩行をしたために、骨盤自身の底が広がる変形をしたためです。
上記のような骨盤関節は妊娠中からすでに緩んでいますので、産後の骨盤ケアのポイントは、妊娠中からの骨盤支持です。そして、分娩直後の安静時間・立ったり歩いたりする前の骨盤支持です。
骨盤関節は、逆三角形の骨盤の下部にありますので、妊娠中も産後も骨盤全体に力をかけるのではなく、骨盤関節が緩まないように、正常に回復するように骨盤下部にだけ力をかける必要があります。そのため、妊娠中も産後もガードルなどの使用はお勧めできません。
以上のようなことは、トコちゃんベルト考案者の渡部先生が主催している母子整体研究会のセミナーを受けた医師・助産師や看護師のいるお産の施設ではマタニティ教室などで教え、そして骨盤ケアに取り組み始めています。このような施設は着実に増えています。また、このようなケアに関心を持っている助産師も増えています。
ベルトの選択は、恥骨の真ん中を押さえて、痛みが無ければトコちゃんベルトⅡをお勧めします。痛みがあれば骨盤関節の緩みは重症化していますので、恥骨結合という骨盤関節の緩みをまず回復させるために、トコちゃんベルトⅠでの骨盤支持をお勧めします。そして、恥骨の真ん中を押さえて、痛みが無くなってからトコちゃんベルトⅡを使っての骨盤支持が、骨盤を正常な形に回復させるためのベストケアです。